「ファミーユ・ひろ」とは、弘子の家族という意味で、現在8団体総勢90名の団員から成る合唱団の総称です。一番古く誕生した「ヴォーチェ・ビアンカ」をはじめ、最近産声をあげた、「ひろ・コラリアーず」まで、楽しく合唱活動をしております。団員の多くは、何十年も私と共に歩んで下さっている方々です。喜びも悲しみも共に味わい、支え合ってきたかけがえのないお仲間です。団員の方々は、非常に熱心で、レッスン時には殆ど遅刻欠席がありません。毎回全員の笑顔に迎えられ、幸せな思いで指導させて頂いております。そんな皆様に如何にしてお報いい出来るか考え続けて参りました。
合唱と一口に申しますが、奥が深く、なかなか難しいものです。詩人と作曲家の意図をどこまで読み取り、表現できるか、個人発声から始まり、音楽造りまで……。みんなで手を取り合って、険しい山登りに挑戦しているようなものです。一歩でも高みに登ると視野も開け、更に合唱音楽の本質に近づくことが出来ます。
長い間の合唱指導の経験から、日々、新しい発見をしています。歌唱の原点、発声に関して申しますと、団員の方々に名器になって頂くことです。ヴァイオリンの名器ストラリヴァリとは参りませんが、良く響き、表現力の豊かな楽器に成長して頂くため、懸命に指導しております。どなたにもわかり易く、高年齢の方々にも適応した発声法を、ようやく構築致しました。
今後も更に発展していくことでしょう。レッスン毎に確実な成果を実感して、嬉しい限りです。
また、男声合唱団「ひろ・コラリアーず」が発足したことは、私の音楽活動の幅を大きく広げてくれました。男性の持てる能力をフルに発揮して、合唱団のためにご尽力下さっています。
合唱は奥が深く、やれどもやれども完成にはほど遠いからこそ、こんなに長くやってこられたのだと思います。私の人生を振り返りますと、合唱をおいてはとても考えられません。合唱を通して多くの素晴らしい方々との出会いがあり、今も尚、8団体・90人の団員の方々に支えられています。合唱団は、すべて指揮者にゆだねられています。上達は勿論ですが、団員一人一人が、前向きに、より幸せな人生を歩んでいって欲しいと心から願っています。